[ オピニオン ]
(2018/8/31 05:00)
次世代技術として期待が高まる量子コンピューター。使いこなすのも難しそうだ。東北大学量子アニーリング研究開発センターでリーダーを務める大関真之准教授によれば、「量子力学の知識もいらないし、ツールを使うのに、それほど障壁はない」のだとか。
実際、ウェブ経由での活用は、日本発のアイデアをもとにカナダのディーウェイブ・システムズが商用化した量子アニーリングマシン。従来のコンピューターでは、時間がかかって解くのが難しい組み合わせ問題について、0と1の量子重ね合わせ状態を利用し最適解を探し出す。
大関さんはマシンを気軽に使える環境を生かし、学部生を巻き込んだ活動にも積極的。新入生オリエンテーションなどの場で量子アニーリングを説明しつつ、「マシンにさわれるよ」と話すと興味を持った学生が押しかけ「応用研究の人材が、どんどん育っている」という。
一方、米IBMと量子コンピューティングの産学協同研究ネットワーク拠点を今年開設したのが慶応義塾大学。ここでは企業研究者やポスドク(博士研究員)に混じって学生も応用研究に加わる。
イノベーションに王道(解)はないにしても、人材育成は若いうちから。それが近道に違いない。
(2018/8/31 05:00)