自工会、下請法違反の再発防止へ 法令順守を緊急点検

• 

  会見する片山会長

日本自動車工業会（自工会）は日産自動車が公正取引委員会から下請法に違反して勧告された問題を受け、会員企業の法令順守の状況を緊急点検し、再発防止の取り組みを進めることを決めた。ダイハツ工業と三菱ふそうトラック・バスが、取引先との協議を経ずに取引価格を据え置いているとして、公取委から企業名を公表されたことを受け、会員企業に取引先との明示的な協議の実施や価格転嫁の受け入れを浸透させる方針も決定した。

２２日、自工会の理事会後の会見で片山正則会長（いすゞ自動車会長）が「自工会としても大変重く受け止めており、全会員で再発防止の取り組みを徹底することを申し合わせた」と説明した。会員企業各社の法令順守状況を点検し、結果は公取委に報告する。

法令違反のあった企業が違反事例について会員間に情報共有をするなど、各社で法令規則への理解を深める。人為的なミスによって違反が発生するのを防ぐために、防止に役立つシステムを導入している企業の事例を共有するといった対策も進める。

また取引先への原価低減要請については低減につながる具体的なエビデンスに基づいて話し合いをした上で要請をする。一方、価格転嫁ではコストアップの要因を取引先と話し合った上で価格を決めることを徹底する。取引先との価格転嫁の交渉は公取委のガイドラインに沿って行うが、ガイドラインの解釈に違いが生まれないように、会員企業間で協議して共通の理解を深める。