産業春秋/マレーシア、米中対立より日本の投資に関心?

(2024/5/28 05:00)

マレーシアの産業は「30―40年前とは違う」。23日に日本記者クラブを訪れたアンワル首相は、大きく高度化を遂げたと強調した。当時、日本が盛んに投資した分野から、現在の産業構造は様変わりしている。

日本の現地への投資は「田中首相、福田首相の頃から」。テレビなどモノづくりが中心だった。それが今や「半導体ではハブとなっている。米国やドイツから投資がある」。人工知能(AI)への取り組みもあり、エネルギー関係では中東からの投資も増えているという。まさに世界のトレンドに乗っている。

マレーシアの2023年の国内総生産(GDP)は約4300億ドルで、世界36位。40年前の10倍。東南アジア諸国連合(ASEAN)ではフィリピン、ベトナムと拮抗する。

マレーシアの最大の貿易相手国は中国。中国の台湾への威圧は「喫緊、紛争につながるとは考えない」。米中台が「うまくいくようにと望む」。

日本とマレーシアは23年12月の首脳会談で、両国の関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることを確認した。米中対立が激化する中、日本は民主主義陣営への囲い込みを狙うが、マレーシアの視線は日本からの投資拡大にある?

(2024/5/28 05:00)

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