産業春秋/30年度までがラストチャンス

(2024/7/9 05:00)

2060年度に65歳世帯が受け取れる年金は月21・4万円。36年後に対象となる、現在30歳前後の人たちはどう捉えただろう。

現在(24年度)は月22・6万円。現役世代の平均手取り収入と比べた水準「所得代替率」は61・2%で、これが60年度に50・4%に低下する。法定の50%超はかろうじて維持されるものの、暮らし向きへの影響は避けられないところ。

公的年金財政の長期見通し「財政検証」は、経済状況を過去30年投影したシナリオのほか、成長型シナリオも示しており、実質賃金上昇率1・5%(対物価)で算出すると、60年度に33・8万円、57・6%となる。

財政検証は5年に1度行われるもので、前回と比べて就労が進み改善がみられている。とはいえ、65歳以上の高齢者比率は40年に全人口の34・8%に達する。15―64歳の生産年齢人口は現状より1000万人以上減る。年金制度を調整するだけでは問題解決は難しくなる。

政府は、経済・財政・社会保障の持続可能性を確保するには、人口減が本格化する30年度以降も実質成長率1%を安定的に上回る必要があると指摘する。30年度までが成長型経済に移行する経済構造改革への「ラストチャンス」と覚悟したい。

(2024/7/9 05:00)

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