インタビュー/日本無線執行役員・宮田光晴氏 部品情報、設計部門と共有

(2024/7/18 05:00)

―新型コロナウイルス感染拡大の影響は。

「当社が手がけるレーダーや魚群探知機といった製品には、防水性を高めるためにゴムを用いる場合が多い。またプラスチックケースを作るために樹脂も欠かせない。ただ、コロナ禍で樹脂やゴムが入らなくなった。こうした材料は注射器の製造に優先されていたことが後から分かった。ほかにも、ノートパソコン(PC)への需要が拡大したことで、コネクターや半導体の入手も厳しかった」

―具体的にどう対応してきましたか。

「特に半導体は先行手配を行った。また半導体メーカーをはじめとしたサプライヤー(仕入れ先)を訪問し、安定調達のために奔走した。さらに、社内で使う部品を購買部門が一元管理できる体制に変わりつつある。従来、購買部門は設計や生産管理から必要な部品の注文を受けていた。ただサプライヤーによっては採算が合わない部品の生産を中止するのが早く、社内の設計者らに対してどの部品を使うべきかを共有する必要があるためだ」

―「物流の2024年問題」への取り組みは。

「子会社である上田日本無線(長野県上田市)から製品を出荷する際に、東京都日野市の物流拠点がハブの役割を果たしている。従来は上田日本無線から東京港や横浜港に直接運んでいたが、時間や物流費がかかることが課題だったため、ハブを設けた。ハブはサプライヤーから部品を入荷する際にも使っている。将来的には輸送費を年間で数億円削減できるようにしたい」

  • 関東物流センター(東京都日野市)をハブとして出荷や入荷をしている

―サステナブル(持続可能)な調達を重視しています。

「2003年にグリーン調達ガイドライン第2版を発行した。直近ではサステナブルを意識した調達に取り組んでいる。例えば、サプライチェーン(供給網)全体の二酸化炭素(CO2)排出量『スコープ3』への対応を進めるため、製品ライフサイクル管理(PLM)の活用を検討している。さらに、当社の製品には金やハンダといった金属類を多く使うため、紛争鉱物の使用を避けるための対応をしている」

(2024/7/18 05:00)

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