(2024/7/24 05:00)
きょう24日は土用の丑(うし)の日。手軽に食べられるようになるのは2050年だろうか。水産庁が取り組む、ニホンウナギの養殖の完全養殖実用化の目標年である。
完全養殖とは卵を人工ふ化させたシラスウナギを育て、それを親とする卵をふ化して成育させること。10年に初めて成功した。研究が進みシラスウナギ1匹当たりの生産コストは1821円となったが、なお天然の数倍がかかる。
絶滅危惧種に指定され、生産量の減少で価格もうなぎ上り。近年は土用が近づくと、かまぼこでつくったウナギの蒲焼き風を店頭で目にするようになった。近い将来の“たんぱく質危機”も叫ばれる。世界の人口増で、供給が需要に追いつかなくなるという警鐘か。
ウナギに限らず水産資源の枯渇が迫る。コストと環境負荷の課題から、牛肉や豚肉などの先行きも危うい。この状況に植物由来や昆虫食、細胞培養など代替たんぱくの開発が注目されているが、日本で浸透するのだろうか。
ウナギの完全養殖の実用化には、低コストな飼料の開発、給餌の自動化、成育期間の短縮など課題が少なくない。生態に不明な点があるため、研究には時間がかかるという。首を長くして待つとしよう。
(2024/7/24 05:00)
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