(2024/10/23 12:00)
マテックス(大阪府八尾市、的場年昭社長)は、減速機や電動アクチュエーター、射出成形樹脂部品を手がける。本社工場のほか中国・無錫とフィリピンに工場を構える。人数や設備は日本の数倍の規模で、海外生産が中心になっている。「日本は人材を確保しにくいが、海外も人件費が上がっている」(的場社長)として自動化や半自動化、生産管理強化などを進めて勝ち残りを目指す。減速機などは高付加価値品を増やして収益確保も図る。
規模ではフィリピン工場がマテックスとして最大で、人数は日本の10倍の約600人、射出成形機は同7・2倍の101台を備える。海外の生産比重が大きい中、「いかに制御するかが重要だ」(的場社長)と捉え、材料や金型、機械、加工設定条件、作業者の変動を自動通知する「5M変動管理強化独自システム」を2025年度に導入する。
同システムは許容範囲の数値を超えた場合にアラームが鳴り、顧客への報告や必要な修正をかける。日々のデータを保存して追跡が可能。既に中国工場では導入済みで「必要に応じて顧客にデータを提出できるので評価されている」と大島規生取締役は胸を張る。
フィリピン工場で手がける減速機やアクチュエーターのサブアセンブリー品の生産では、部品の挿入工程で半自動化を進める。現在、半自動化の対象は2品種だが、部品点数の多い品種を中心に徐々に拡大する方針だ。
一方、中国工場は人員で日本の3・3倍、射出成形機台数で同3・5倍の規模を持つ。24年12月に産業用ロボットを導入し、既存の射出成形機と組み合わせて車載部品の射出インサート成形を半自動から全自動化する。
その中国ではモーターや金属加工部品などの調達網で「顧客の要求レベルに合わせたものをそろえられる」と的場社長は強調する。ただ、欧米などの関税政策による価格競争力低下のリスクを踏まえ、インドでも調達先を開拓している。
海外工場では現地の人材を育てて自立を進めている。中国は「自ら上に立つ意欲が強い」(大島取締役)と捉え、17年末に日本人駐在員がゼロとなり、19年末には出張での対応もやめた。「現地の人だからこそ気付けることがある」(同)として、フィリピンでも日本人を減らす方針だ。
日本では20年に第2工場(大阪府八尾市)を建設して金属加工を始めた。国内外の各工場で高付加価値品の増加を目指す中、日本でも金属加工品を用いた競争力のある製品を検討する。「先行案件を他の工場に伝えるのに加え、3工場で得意分野や不得意分野をカバーし合う」(的場社長)ことで競争力を保つ考えだ。
(2024/10/23 12:00)
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