インタビュー/矢野特殊自動車取締役 柴田和典氏「高断熱・電気式で冷凍庫脱炭素」

(2024/11/20 12:00)

矢野特殊自動車(福岡県新宮町、矢野彰一社長)は、冷凍車やタンクローリー、車両運搬車など特殊車両を開発、製造する。2022年4月、製造部や資材部、サービス事業部、営業部から各部12人でチームを編成し、ガソリンや電気などのエネルギー消費削減に乗り出した。取り組みを指揮した柴田和典取締役品質保証部長に成果などを聞いた。

―モノづくりで目指すテーマは。

「高付加価値製品を届けることで、顧客の困りごとを解決するモノづくりを続ける。(トラック運転手の時間外労働の上限規制が適用される)物流の『2024年問題』に対応するため、ドライバーの働き方改革につながる機能を製品に盛り込んだ。社会課題でもあるカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現には、(供給網の中で)上流の材料調達から排出量を算定する必要がある。下流の顧客が当社製品を使用する際、排出する二酸化炭素(CO2)低減が求められる。省人化、省力化、効率化が可能な製品で顧客に貢献する」

―具体的には、どのような開発ですか。

「例えば高性能断熱や電気式の冷凍機。断熱性能が高まれば冷凍機の稼働を落とせる。電気式は軽油の使用量が減少しCNにつながる。大容量車は荷物を積む量を増やせるので運ぶ回数を減らせる。高効率・高稼働のウイング車は冷凍機能を持ち、両サイドを開放できるためフォークリフトでの積み下ろしがしやすい。往路と復路で荷物を積み替える場合、効率良く実施できる」

―人材育成の取り組みは。

「社内教育を充実させている。一般教養や専門スキル、マネジメントスキルなどについて勉強会や研修を階層別に週1回や月1回のペースで実施している。中小企業基盤整備機構など外部の支援も活用する」

「生産性向上、品質向上、CNの全てにおけるさまざまな取り組みの根っこにあるのは、結局は人だとつくづく感じる。人の成長がないと生産性も品質も上がらない。私も20年に品質保証部長に着任し、品質向上のためにいろいろな活動や取り組みをした。だが結局、モノづくりの目的を達成する一番の近道は人の成長だと考えている」

(2024/11/20 12:00)

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