一定負荷で外れ、絡まり事故防止 立川ブラインド工業のボールチェーン

(2024/11/20 12:00)

  • 一定の力で引っ張ると外れるボールチェーン㊤、減速降下機能(RDS)を備えたコード㊥とその部品㊦

住宅やオフィス、商業施設、学校など建築物に欠かせない窓回り製品の一つで、高機能化が進むブラインド。立川ブラインド工業は各種ブラインドの製造・販売・設計施工を手がける。「安心・安全・快適」をテーマに、独自の技術で多様化するニーズに対応している。

ロールスクリーンなどに搭載され、開閉時に上下に操作するボールチェーンは安全性に配慮した部品の一つ。一定の負荷がかかるとチェーンが外れる「セーフティーチェーン」を2009年に投入した。チェーンを構成する樹脂製ボールのうち2個が外れる構造で、回してはめ込めば元通りになる。この微小な玉を金型でひもに付けて製造する。

外れる負荷の基準は7キロ―10キログラム程度で、現在は大半のチェーンに導入している。寝室や乳幼児がいる部屋の窓を想定しており、首や手足に絡まる事故を防ぐのが狙いだ。

コード(ひも)を直接引いてスラット(羽根)を回転・昇降させる手動ブラインド向けには、製品がゆっくりと下りる独自の減速降下機能(RDS)を開発した。遮蔽(しゃへい)性や意匠性の高い最上級シリーズの横型ブラインド「パーフェクトシルキー」に16年から搭載している。

「ブラインドを下げる時だけ、ひもに抵抗が加わりブレーキがかかる」(中村元技術本部技術開発部長)ように部品が仕込まれている。コードを引く力がギアから伝わり重りが回る仕組みで、バネの活用や軸の素材にノウハウが凝縮される。一般的な従来製品は操作時に重みで急降下するケースもあり、安全性を追求した。

ブラインドを操作するコードやチェーンは、顧客の用途や好みに合わせて選択できる。製品開発や技術力向上を加速するため、同社は各所の研究開発設備を集約した技術研究棟(千葉県船橋市)を24年10月に開設した。「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向け、実証実験により省エネルギーを追求する」(江波戸武信執行役員技術本部長)ことで、新たな製品創出に挑む。

(2024/11/20 12:00)

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