KAJIWARA、ロボ導入・自動化で加工時間短縮

(2024/11/25 12:00)

  • オイルヒーターの構成部品のソケット加工に産業用ロボットを活用している

KAJIWARA(兵庫県姫路市、梶原敏樹社長)は、幅広いモノづくり現場で必要とされる集塵機や脱臭装置、船舶向けオイルヒーター製造を得意とする。手がける製品はオーダーメードが多い中、作業者の負担軽減や人手不足対応、生産性向上を目指し、ロボットや自動化システムの導入を模索してきた。

同社はオイルヒーターを構成する部品の生産ラインでロボットを活用している。船舶向けオイルヒーターは国内シェア約80%を握り、月120台以上を生産している。2012年に複合加工機とガントリーロボットを導入し、オイルヒーターの部品であるフランジ(継ぎ手)加工を自動化した。

従来は作業者が材料をクレーンでつり上げ、旋盤に取り付けて加工した後、場所を移して穴開けを行っていた。現在は一つの加工機に工程を集約できたことで「作業者の安全確保や品質安定につながった」と、生産技術部製造第2グループの西山秀宣グループマネジャーは話す。

さらなる生産性向上を目指し、複合加工機と棒材供給装置を組み合わせた無人加工ラインを安全弁の生産に導入。23年5月には産業用ロボットと旋盤を組み合わせた自動化システムを導入し、主要部品の生産自動化を完了した。

ソケット加工では約5分間隔で加工対象物(ワーク)の着脱が必要になるため、従来は作業者が機械に張り付いていた。自動化システムの導入で、完成品のバリ取りなどの別作業を並行できるようになった。夜間の無人加工にも着手し、オイルヒーターの生産リードタイムは3割ほど短縮した。部門間の業務の共有や技術連携も進み、作業環境の改善効果も生まれた。

同社では「加工工程の自動化には、加工そのものの知識や経験も重要になる」(西山グループマネジャー)として、現場担当者がロボット導入後のシステム構築に携わっている。現場で培ってきた加工ノウハウを基盤として、ロボットや自動機の導入を進め、最適な自動化システムの実現につなげている。

(2024/11/25 12:00)

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