ナ・デックス、インラインで車両外観検査 省人化・精度安定図る

(2024/11/25 12:00)

  • ナ・デックスの車両外観検査システム。検査精度のバラつきを抑え、品質の安定化につながるメリットを提案している

産業機械商社であるとともに、接合関連機器などメーカー機能を持つナ・デックスは、車両外観検査の自動化を提案し品質管理の効率化を支援している。既設の生産ラインに組み込んでインラインで画像検査できるのが特徴。人工知能(AI)を活用して機能向上を図るなど、生産現場の省人化と検査精度の安定化を両立している。

発光ダイオード(LED)照明、ラインセンサーカメラ、専用ソフトウエアなどで構成したシステムとして提供している。ライン上を通過する車両の左右の側面から、ラインセンサーカメラがボディーやドアなどを撮影。傷やへこみなどの外観欠陥を検知してモニターに映し出す。車種に応じて塗装色、形状に適した照明の明るさを調光できるようにするなど、独自のノウハウを取り入れている。

外観検査は車両1台に対し、複数人で目視検査することが多い。経験やカンに頼ることが多い従来方法から自動検知に代わることで、検査精度のバラつきを抑え、品質の安定化につながると提案。既設ラインに後付けできるため設置スペースがなかったり、ライン停止を避けたいなどのニーズにも対応する。

生産性と検査精度の向上を図ろうと、さらなる機能拡充に力を入れている。AI活用はその一つで、画像認識精度の向上につなげ、外観検査業務の効率化を促進する。

今後の投入に向けて開発を進めている技術として、塗装工程に入る前の車両のボディー(ホワイトボディー)外観検査の自動化に挑んでいる。各種部品を溶接で組み立てた状態のボディーに付いた小さな傷などを発見、修正するために行う外観検査は難関とされている。LED照明の色合いを工夫し、わずかな欠陥を影として浮き上がらせるなど蓄積した画像検査の知見を生かし、実用化を目指す。

車両外観検査の自動化は、将来広がりが予想されるスマートファクトリー化を視野に入れたITソリューションの一つと位置付けている。モノづくりのデジタル化を支える技術として展開する。

(2024/11/25 12:00)

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