インタビュー／JCB社長・二重孝好氏 他社と提携しメタバース展開

• 

新たな収益源、新事業の創出を中期経営計画に掲げるジェーシービー（ＪＣＢ）。将来を見据え、メタバース（仮想空間）の事業化に力を入れている。二重孝好社長に、構築を目指すメタバースビジネスについて聞いた。

―２０２３年に金融やＩＴ企業などと連携して「ジャパン・メタバース経済圏」を創出すると発表しました。

「通信速度や３次元（３Ｄ）技術の向上などで新たなビジネスが多く生まれるだろう。（当社は）認証や決済のノウハウを生かし、メタバースビジネスに取り組んでいきたい。メタバースの拡大にはユーザーインターフェース（ＵＩ）・ユーザーエクスペリエンス（ＵＸ）やコンテンツがカギを握るので他社との提携が必要だ」

―特にメタバースビジネスを手がけるゲーム会社のＴＢＴ　Ｌａｂ（東京都千代田区）と協働しています。

• 

  「メタスクール体験プロジェクト」で生成したメタバース空間

「顧客にオンライン体験を提供してきたゲーム業界が技術面で優位性を持っている。そのためゲーム業界を代表する企業と組んだ。２３年にＴＢＴ　Ｌａｂ、和洋九段女子中学校高等学校（同）と学校向けメタバースの構築を目指す『メタスクール体験プロジェクト』を始めた」

―決済機能付きの身分証明書「マルチマジックパスポート」や加盟店のデジタルツインの構築を目指しています。

「メタバース空間にいろいろな人が出店し、体験やモノの購入ができるようになる。そうした中でアバター（分身）であるがゆえ、身分証明の重要性が一層増す。リアルな世界と同等以上のコミュニケーションや取引ができる環境を提供したい」