(2024/3/21 05:00)
生成人工知能(AI)における日本の現在地は「将棋で言えば“詰み”寸前」。日本のAI研究の第一人者、東大大学院の松尾豊教授は、米国などに大きく引き離されていると指摘する。
日本は2023年に企業や官公庁などで生成AIの導入が進んだ。我先にと動く姿は、新技術の導入に慎重な日本にしては積極的な取り組みと評価する。
しかし土台となるLLM(大規模言語モデル)の開発状況をみると、すでにGPT4の段階にあるのに対して「日本はGPT2に毛の生えた程度」。パラメーター数にすると100億程度と2ケタ小さい。
デジタル変革(DX)でもそうだが、日本は業務の効率化には熱心だが、それによって生じる時間やマンパワーを新しい価値の創造に注ぎ込むまでにはなかなか至らない。生成AIも情報収集の効率化程度で満足していたら、彼我(ひが)の差は開くばかりである。
松尾教授は「日本が世界と伍していくには医療、金融、製造などの巨大産業に貢献する形を作る必要がある」と指摘する。大規模投資が必要となるものの、その先にはそれを大きく上回る市場が控える。日本企業には今、その市場を取りに行く強い意志が求められている。
(2024/3/21 05:00)
総合1のニュース一覧
- JAXAと三菱重工、「H3」3号機を一部公開 来年度打ち上げ(24/03/21)
- 伊藤忠、辻本郷ITCと提携 中堅・中小向けDX支援基盤の運用開始(24/03/21)
- 日経平均、800円超高で最高値更新 米株高を好感(24/03/21)
- AIで食肉ムダなく切り出し 前川製作所、除骨ロボが刃物の軌道計算(24/03/21)
- 積水化学、ゼロエネリノベ住宅拡大 提携で中古・戸建ての知見融合(24/03/21)
- 建機の稼働情報を遠隔管理 コマツ、車両サポート効率化(24/03/21)
- NTT、公募型制度で役員候補育成 経営の資質養う(24/03/21)
- つなぐ/新時代を読む(3)三菱電機取締役常務執行役・武田聡氏(24/03/21)
- 生成AIと知財保護の両立 政府、考え方を整理(24/03/21)
- オークファン、中国・義烏市場に進出 日本製品展示(24/03/21)
- 産業春秋/日本の生成AIは“詰み”寸前か(24/03/21)