(2024/4/22 12:00)
リンクウィズ(浜松市中央区、吹野豪社長)は、「人の業を受け継ぐロボティクスで働き方を革新する」という使命を掲げて2015年に誕生した。既に独自のソフトウエア「L―ROBOT」を活用し、60社以上の現場の自動化を支えている。今後は「中小企業の現場を変えたい」(吹野社長)という意気込みで、特に自動化が難しい溶接や板金加工分野のロボット導入支援に注力する。
同社の強みは3次元(3D)スキャナーで取得した加工対象物(ワーク)の形状や位置の3D点群データを解析し、ソフトの機能で産業用ロボットを用いた最適な加工を施すプロセスを作れることだ。溶接の自動化の実績はあり、品質が安定して後工程での補修の必要がなくなるとの評価を得ている。ただ、中小企業はロボットに精通した人材が不足しているため、導入が難しい場合もある。同社はこうした課題を解決するため、23年に「L―ROBOT 板金溶接パッケージ」を発売した。
同パッケージは加工するワークの種類を難易度の比較的低い箱物、ブラケット、フランジなど「単純形状」に絞り、TIG(タングステン不活化ガス)溶接を協働ロボットで行う。必要な商品構成を標準化し、3Dスキャナーや溶接機、架台などを一式にした。導入段階で仕様検討の必要がなく、最短2週間で稼働できる。
ティーチングは不要で、ワークを治具に置くだけでセットが完了する。その後は3Dスキャナーでワーク形状を認識し、自動生成した溶接パスで加工する。操作は溶接やロボットの知識がなくてもタブレット端末で行える。難易度の低い溶接を自動化することで、熟練者は付加価値の高い溶接に集中できる。
同パッケージはリンクウィズにとって「本来取り組みたかった中小企業の自動化のための商品」(同)だ。導入先を拡大するため、ロボットシステムインテグレーター(SIer)や溶接関連商社との連携を深める方針だ。
(2024/4/22 12:00)
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