(2024/7/5 05:00)
2種類の消費者物価指数(CPI)に困惑しないだろうか。厚生労働省が実質賃金の計算に使っている「持ち家の帰属家賃を除く総合指数」と、日銀が注目する総務省発表の「生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)」のことだ。
「持ち家の帰属家賃」とは、持ち家を借家とみなし、払うであろう家賃を市場価格で評価したもので、国内総生産(GDP)の個人消費に含まれる。コアCPIにこの帰属家賃が含まれていることに留意したい。
帰属家賃の上昇率はほぼゼロのため、これを除いた物価指数は、コアCPIより高い数値が示されているとの指摘がある。4月は帰属家賃を除く総合指数が前年同月比で2・9%上昇、コアCPIは同2・2%上昇とかなりの差がある。
実質賃金は4月まで25カ月連続で前年同月の実績を下回っている。コアCPIに基づけば、実質賃金が増加に転じる時期が早まるのではないかと思えてくる。
2024年春季労使交渉(春闘)の賃上げ率が33年ぶりに5%台を実現した。だが、4日の東京外国為替市場は1ドル=161円台と過度な円安で推移し、賃上げ効果が大きく減殺されかねない。消費者物価指数が何であれ、実質賃金の浮揚は遠いのか。
(2024/7/5 05:00)
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