(2024/11/1 12:00)
東京出身者はもちろんのこと、地方出身者の中にも、ゆくゆくは東京で活躍したいと考える人は、いつの時代もいるだろう。北海道出身の私は後者だ。
藤田晋著『渋谷ではたらく社長の告白』は、私のそんな願いを強くさせた1冊だ。この本に出会ったのは25歳のころ。高校の同級生であるうるる副社長の桶山雄平から「これは面白いぞ」と薦められた。高校生の時点ですでに「一度きりの人生なのだから、将来は東京で大きなことを成し遂げたい」と桶山と約束をしており、そんな背景もあって桶山はこの本を紹介したのだろう。
読み始めた当時は北海道の専門学校に勤務しており、書かれていた内容のほとんどが異世界の話と思えた。藤田氏は福井から上京して大学卒業後に人材サービス会社に就職。トップセールスマンとなった後、同社社長から出資を受け、サイバーエージェントを起業した。起業という目標を何が何でも成し遂げるという姿勢に引かれたほか、2005年当時に現れたIT業界の寵児と年代も近くて地方出身者という点に親近感を覚え、いつしか目標となっていた。
私は06年に上京し、求人情報会社に就職した1年後に、うるるに入社した。この本に出会っていなかったら、上京直後にうるるの立ち上げに参画しただろう。ただ、藤田氏の生きざまに触れ、求人情報会社の面接試験で「1年後にはうるるに参画する。その前に全国1位を取る」と宣言し、それを達成した。その会社の社長にもアピールした結果、面白がってもらえ、今はうるるの監査役になってもらっている。
現在でも、月に2冊くらい本を読む。社外の読書会にも参加している。ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』も、忘れられない。仕事ばかりだったそれまでの人生を振り返り、子どもと過ごす時間を設け、人生を後悔しないようにしている。歴史学や哲学書も読んでいるが、これからも本を通して仕事や人生の幅を広げていきたい。
(2024/11/1 12:00)
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