(2024/9/17 17:00)
7月利上げの影響見極め
日銀は19、20の両日、金融政策決定会合を開く。7月に0・25%程度まで利上げした影響を見極めるため、政策金利は据え置く公算が大きい。8月以降、日銀幹部による講演で金融市場調節の方針は維持する方針を示しており、今後の追加利上げの見通しが焦点となる。植田和男総裁が市場の安定性や物価の基調と先行きにどのように見方を示すかが注目されている。
9月に入り、日銀の審議委員は相次いで利上げ継続に前向きな姿勢を示している。高田創審議委員は5日、8月前半の株式・為替相場の大幅な変動について「当面はその動向を注視し、影響を見極める必要がある」とした上で、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の動きが確認されれば「金融緩和度合いのさらなる調整を進める必要がある」と発言した。
中川順子審議委員は11日、「2%の物価安定目標のもとで金融緩和の度合いを調整していくことなる」と述べた。田村直樹審議委員は12日、「2026年度までの見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げていくことが必要」と水準や時期を明言した。
3人の審議委員の発言からは、金融市場が安定を取り戻した際には追加利上げの環境が整い、次の一手に動く可能性を示唆している。
米国経済の行方も日銀の金融政策に影響する。米連邦準備制度理事会(FRB)は17、18の両日(現地時間)に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げサイクルに転じる見通しだ。FRBの思惑通りに経済のソフトランディング(軟着陸)が実現できなければ、日銀は正常化路線を休止せざるを得ない。
米国の景気腰折れがなく、日本経済・物価が日銀の見通し通りに推移すれば、追加利上げの可能性が高まる。9月会合では植田総裁が内外の情勢をどう認識するか注目される。国内は実質賃金の動向や円安修正による物価下押しも焦点となる。
(2024/9/17 17:00)
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